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横井晃子の日記

このブログは、主に私が学んでいるビジョン心理学についての体験や学んだことをコンテンツとしたものです。このブログの内容は私の理解に基づいて書かれたものであり、 VDIやその他のビジョン心理学のトレーナーや組織には一切の責任はありません。

長谷川 真理子先生の講演を聴いて(3)-共感の対象と脳-

長谷川先生の講演のレポートの続きです(はこちら)
 
今回は、共感の対象についてのお話です。
これは、平成25年から29年度にかけて、長谷川寿一先生が新学術領域という名前の文科省の科学研究費の大きな予算を獲得して研究されている内容の一部だそうです。タイトルは「共感性の進化・神経基盤」。
余談ですが、新学術領域というのは、要するに「新しい学問分野を提案するようなスタートになる研究をするよ」というテーマに与えられる研究費です。これから共感性というものを科学的に調査する分野が出来ていくのかもしれませんね。
 
 
人間は物理的に攻撃されると(殴られたりして)、痛みを感じますね。その痛みを受けると脳の中にある特定の部位が反応するそうです。一方で、精神的に攻撃されると(馬鹿にされたり、人格を否定されたり)やはり痛みを感じます。そのとき反応する脳の部位は、物理的に攻撃された場所と同じ場所なのだそうです。
さらに、周りの人が物理的に攻撃されたときに、共感して反応する脳の部位は、自分が物理的に攻撃されたときに反応する部位と同じなのだそうです。
 
そして、ここからが面白いのですが、周りの人が精神的に攻撃されたときに、共感して反応する脳の部位は、実は全く違う場所(前頭葉)にあるのだそうです(引用文献をメモし損ねたのが無念でした!)
 
長谷川先生は、こうおっしゃっていました。
精神的な痛みへの共感は脳の前頭葉にあるのですから、その対象はどうとでもなるのです(簡単に対象を広げたり狭めたりできる)
 
その社会や個人の成熟度の変化とともにその対象範囲を広げたり狭めたり、色々と変化することが可能であることを実証した研究だということなのだと思います(原始的な、反射に近いほうの脳で起きているとなると、なかなか変わることは難しいようです)
 
これはとても頼もしい言葉なのではないかと私は思うのです。
他の人の痛みに共感できないことは、本人にとっても周りの人にとってもとてもツライことだと思います。もし、共感できない、ということが苦しみになるとしても、練習すること、学ぶことを通して、共感を拡大することが出来るということだと思うからです。
 
ちなみに、長谷川寿一先生は、長谷川眞理子先生の旦那さんで、「これは人の研究なんですが、家族で一緒に生活しておりますので、家でちょっと資料をもらってきてご紹介します」とおっしゃって、またみなを笑わせておられました。日本の人間行動の研究を率いておられるカップルのパートナーシップを背景に見たような気がしました。